療養病院について
Q:療養型病院とはどんな病院なんですか?
A : まず皆様が頭に思い浮かべるのは一般病院といわれる病院だと思います。救急車や外来から入院していただき治療を受けてご自宅や施設に退院するという病院です。当院は療養型という病院で少し仕組みが違います。その違いについていくつかご説明させていただきます。
1つ目はいらっしゃる患者さんの状態です。一般病院は若い方からご高齢の方まで幅広くいらっしゃいます。病気も風邪から重い難病までさまざまです。療養病院では基本的にご高齢の方で介助を要する方や若くても寝たきりである等ご自宅で生活することが難しい方が中心です。病気としては認知症、終末期のがん、脳卒中後遺症、難病などが上げられます。
2つ目は料金体系です。一般病院は入院した後検査や治療をすることで課金されていくシステムです。療養病院は検査や治療は一定の料金をいただいた中で行います。わかりやすくいえばパック料金のような感じです。(介護療養というタイプではないので当院での保険は通常の医療保険になります)
3つ目は治療の方針です。一般病院では心臓マッサージや気管挿管といったいわゆる延命治療(この内容についても議論はあるところですが)まで行い基本的に急性期といった数週間から長くても数ヶ月の入院で退院となるケースが主です。療養型病院は基本的に制限はありません。残された時間をいかに心安らかに送っていただけるかを主とした病院です。最期までしっかり診療させていただきます。治療の中心は苦痛を取り除きできる限りご本人とご家族に大切な時間を一緒に過ごしていただける環境を作ることです。もちろん中には元気になられてご自宅や施設に移られる方もいらっしゃいます。
どうしても療養病院は“みとり専門だ”や“何もせずに死を待つだけの病院だ”といった声も聞かれますがそんなことはありません。きちんと熱が出れば検査を行い治療をします。苦しいときは酸素投与を含めた治療をさせていただきます。痛いときは診察をして麻薬も含めたお薬の調節もさせていただきます。
最後くらいはゆっくりつらいことはしないで過ごしたいという方やご家族には負担をかけたくないといった方のお手伝いが少しでもできればと考えております。
書面のみではお伝えできることは限られてしまいます。ご不明なところは医師がしっかりご説明させていただきますので一度ご相談ください。